座席下に財布が落ちていた>
<事故を起こして
動転していたのかもしれない>
<入っていたのは現金>
<さらに 数枚のカード類>
<その中に
決定的な1枚があった>
<正式な免許取得に先立ち→
路上練習などを許可する仮の運転免許証>
<写真は紛れもなく
あのAだった>
<しかも仮免許証の期限は
既に切れていた>
<つまりAは
無免許で→
他人のスポーツカーを乗り回し
揚げ句の果てに→
死亡ひき逃げ事件を
起こした可能性が→
極めて高いということだ>
<被害者の友人は言う>
<周囲から慕われていた被害者>
<容疑者はどこに潜んでいるのか>
<後足とは
逃走後の足取りを指す>
<警察犬がたどったルートを
中心に→
防犯カメラの映像が
確かめられて行った>
<Aの姿があるかもしれない>
<そして捜査員は→
警察犬が追跡を断念した付近の
防犯カメラに→
動かぬ証拠を見つけ出す>
<あの夜 事故のわずか5分後…>
<平然と歩く1人の男がいた>
<その横顔は…>
<他にも複数の防犯カメラに→
Aらしき姿が確認された>
<携帯電話を
使っているように見える>
<仲間の車でも
呼ぶつもりだったのだろうか>
<自宅は割れている>
<立ち回り先も含め→
24時間体制の張り込みが
開始された>
<飛行機や電車
バスなど交通機関にも手配をかける>
<時間の問題と思われたまま
2週間が過ぎた頃→
事態は予想外の展開を見せた>
[外:FBD48A799B4F6802745508A76590E3BC](着信音)
(スタッフ)
はい もしもし。
はい
。
<手配の網に
逃げ続けることを断念したのか…>
<だが
その態度は ふてぶてしく→
反省の色は
みじんも うかがえない>
<AのDNAは→
スポーツカーから採取したDNAと一致した>
<事件は解決したが
捜査員の誰もが→
唇をかんでいた>
<首都圏のベッドタウン千葉市の夜>
(
無線:警察官) …との目撃情報情報者は目撃者の男性。
<県警
自動車警ら隊が現場へ向かう>
(
サイレン)
止まっててください
緊急車両 赤信号 直進します。
<そこは
千葉駅のすぐ近くだった>
<通行人が
好奇の目を向ける先→
警察官たちに囲まれて
ひと組の男女が座り込んでいた>
(
容疑者) 離せよ!
<どうやら一緒に酒を飲んでいた
カップル>
<酔ってケンカになったらしい>
(警察官) 分かんない?
(
警察官) ちょっと触らせて。
(
警察官) ちょっとあ~んしてもらっていい?
<血まみれの顔面は
腫れ上がっている>
<目撃者の言葉は具体的だった>
(警察官) 背中に向かって?
<自分を無視して
先を行く女性に…>
<背後から跳び蹴り>