直進して来たスポーツカーが激突した>
<被害者を放置して
そのまま走り去ろうとしたが→
自らも
走行不能に陥った可能性が高いという>
<容疑者は
車をその場に乗り捨て徒歩で逃げたと思われる>
<現場に入った連絡に
誰もが肩を落とした>
≪えっ!≫
<被害者の無念を晴らせるのは捜査員だけだ>
(
カラスの鳴き声)
[外:FBD48A799B4F6802745508A76590E3BC]
(着信音)
はい
佐々木です。
<スポーツカーのナンバーから
所有者を当たっていたところ→
意外な事実がもたらされた>
<車は 以前から→
所有者の知人
Aが使用しているという>
<Aは
かねてから神奈川県警に→
素行不良人物とされていた
男だった>
<運転していたのは
Aかもしれない>
<検証が続く現場に
投入されたのは→
容疑者の足取りを追う
警察犬だった>
<徒歩で逃走したとすれば→
まだ においが残っていると考えていい>
<車内に残されていたタオルを
嗅がせ→
においを覚え込ませた>
<シェパードがためらうことなく歩きだす>
<スポーツカーを
運転していた人物は→
真っ先に事故現場へと
向かっていた>
<路上に横たわる瀕死の
被害者を→
どんな思いで見たのだろうか>
≪後ろ通るよ≫
<においは路地へと続いていた>
<容疑者は事故現場を通り過ぎ→
住宅に囲まれた路地に
向かったらしい>
<事故が起きたのは真夜中>
<この路地はひっそりとしていたはずだ>
<あれだけの衝突事故が
起きれば→
かなりの音が響き渡ったに
違いない>
<捜査員が見守る中
頼りの警察犬が引き返して来た>
<途中で
においが途絶えてしまったようだ>
<それには理由があった>
<人々が動きだす朝→
路上には
無数のにおいが混じり合い→
嗅覚を鈍らせてしまうのだ>
<それでも容疑者が→
当初現場から
どう逃げたかは明らかになった>
<住宅が密集している細い路地>
<聞き込み捜査のエリアが絞り込まれる>
<やはり
衝突音を耳にしたという住民がいた>
(
住民) …っていうか。
≪はいはい≫
(佐々木警部) すいません…。
<やがて
気になる情報が手に入った>
(
佐々木警部)ちょうど ここら辺でですね…。
<夜中に人が走る音>
<容疑者の足音だろうか>
<一方
所轄の南警察署では→
スポーツカーの車両検分が
始まろうとしていた>
<まずは
車内からDNAの採取>
<運転する時に
付着しそうな場所から集める>
<捜査員が
DNAを消すことがないように→
車内の遺留品を探るのは
後回しだった>
<これが
容疑者特定の材料になるはずだ>
<と
その時>
<なんと