私たちの背後からひそかに忍び寄り→
身も心も
むしばんで行く>
(
花火の破裂音)
<夜空には大輪の花>
<でも 絶景を楽しむ暇など→
自ら隊員にはない>
<熱を持つ湿った空気がまとわりついて来るような夜>
<芝田は
不審な車両に→
思わず
身を乗り出した>
<目を留めたのは
100mほど先の対向車>
はい
了解。
(
芝田警部補) 逃げた逃げた はい。
(
サイレン)
(
芝田警部補) ここでしょ。(鶴間巡査長) ここですね。
(
サイレン)
(
芝田警部補) 気を付けてね。
早く早く…!
(鶴間巡査長)降りて来てもらっていい?
(
運転手が息を吐く音)(芝田警部補がにおいを嗅ぐ音)
(
芝田警部補)なっ? うん で あれ…。
(
運転手) 逃げてない。(芝田警部補) 来た時 びゃ~っと。
(
芝田警部補) なっ?ちょっと エンジンキー 抜こう。
<芝田が異変を察知したのは→
対向車が右折する間際だった>
<何かある>
<そう感じたのは急ハンドルを切った時>
<この時点で違反のにおいを
嗅ぎ取っていた>
(
芝田警部補) あれ? いたいたヤバい 逃げてる。
<運転していた
20歳代の男は→
10分前まで
店で酒を飲んでいたことを認めた>
2杯ぐらい?
(運転手) これは ホントです。
ビール2杯
。
生中
2杯ぐらいね。
(
運転手) これでいいんすか?(芝田警部補) うん。
<ことごとく当たる芝田の読み>
<大鷹の異名は だてではない>
ですよね
もう絶対しないでくださいね。
関係ない人とか…
。
<思いがけない
芝田の一面がのぞいたのは→
真夜中のパトロール中だった>
あっ そうですか?
<一体
何にビックリしたかというと…>
<突然
目の前を横切った白い猫>
あっ
ホントですか。
<昭和53年
千葉県の生まれ>
<本人いわく…>
…と思います はい。
<だが
そんな性格が今 役に立っているらしい>
<抜きんでた動体視力は
学生時代のテニスで養われた>
<これまでに
レンジャー部隊や刑事などを経験>
<とりわけ刑事課では
薬物犯罪を見抜く目を鍛えて来た>
<豊富な経験のみならず→
日々 さまざまな事案の報告書を頭にたたき込む努力>
<自ら隊で
随一の検挙数を支えているのは→
優れた能力だけでは
なかったのだ>
<週末のパトロール>
<芝田は 繁華街を目指した>
(
芝田警部補) もう すごい。
<嫌な予感は当たってしまった>
<周囲の車や通行人に→
くまなく視線を
走らせていたところ…>
<芝田のアンテナが反応した>