◆左の?
あっ、大人になってはるわ。
この横におるのは?
◆僕のおばあちゃんですね。
◆これ下は孫でっか、子供?
88のおやじ…。
◆うそでしょう?えっ。
◆2歳の誕生日に写真を写したら
しいです。
◆大正10年って、
何年前になりますの?
◆97年前ですね。
◆97年、やってますの?
◆同じ場所で。
◆親子3代になるんですか。
◆三代目です。
これはすごい…。
このころの自転車といったら、
人が乗るというよりは、ものを運
ぶですね。
野菜を乗せたりとか。
◆そのまだ前なんですね。
そのころは昭和とかじゃないです
か。
大正はね、
議員さんとかお医者さんとか、
警察、
消防、
そのあたりの人しか乗れなかった。
◆お金持ち。
名士と言われる人たちが自転車に
乗ってたころ。
大正12年のころは
今で言うたらね、ポルシェとか、
BMを扱ってる
高級外車を扱っているようなもの
ですな。
ほんで、この昭和になってくると
物を運んだり、
運搬ですね。
えらいもんや。
自転車の歴史ってすごいね。
◆そうですね。
◆ちょっとお父さん、出てきたで、のっそり。
僕らがしゃべってるから、気になってきたんやろうね。
ああ、こんにちは。
円広志でございます。
お父さんちょっと…。
◆あんまり立ってられへんので。
◆ほな、ご挨拶だけ。
わざわざあけてもうて、ありがと
うございます。
お父さんはお幾つでいらっしゃい
ますか、今。
◆耳がちょっと遠いんで…。
◆88になりますけどね。
◆聞こえてますやんか。
88歳でいらっしゃいますか。
◆そうです。
◆うわあ、お元気でいらっしゃっ
て。
◆昭和4年生まれで、11月が来
たら、89になるんです。
◆まあ、お元気なこと!
そうですか。
それはそれは。
自転車一筋でね。
◆はい、そうです。
◆お父さん、ゆっくりしておいて。
しんどいからな。
ありがとうございます。
すんません。
わざわざ、あんた、ご挨拶…。
ありがとうございます。
本当に、
自転車…、
ほんでさっき書いてあったけど、
車椅子、関西初ですか。
◆自転車屋で
車椅子安全整備士というのがある
んですけども、
それを取ったのが僕が全国で3番
目なんです。
◆ちょっとこれですね。
◆これ、車椅子です。
これ…。
◆1回乗ってもらえます?
◆そうでっか。
えらい悪いでんな。
遠慮なく座らせてもらいまっせ。
こうでっか。
◆クッションとかいいでしょう?
◆いや、クッション、ええかどうか…。
僕も初めて乗るもんやから、
わかりませんけど、
乗り心地はいいですわ。
これね、これ、ちょっと…。
こっち、曲がって。
これね、俺ね、これやわ!
これですわ。