はい、正解。◆これはもう正解かもしれません。
というか正解でしょう。
答えは違いますけどね。
違うけど、まあ、正解です。
ごらんいただきましょう、こんな
理由です、どうぞ。
◆おじいさんは、
あの写真にも載ってるんですけど、
おじいさんは自転車と
ラジオ。
鉱石ラジオ。
おやじは自転車とバイク、
自動車、という、
一緒に
時代時代のニーズに合わせて
やってきたのが
今の石本自転車なんです。
◆これは石本自転車というのはそ
の時代で一番必要なものを
直していく。
自転車はもちろんやけど、
自転車を軸にして直せるものを直
していくと。
◆そうです。
◆そういうふうに初代とそれから
2代目がやった。
初代、
どういう方でした?
◆怖かったですよ。
職人だからね。
おじいさんなんかは、
何か、僕ら
が変なことをしたら、
工具が飛んできますから。
◆危ないなあ!
しかし昔の人はそれだけ
どんなものでも直すというね。
もう絶対捨てられないですもんね、自転車を。
◆はつって、削って、
穴をあけて直すというのがおじい
さん、
おやじの、
得意中の得意です。◆これ、
町の自転車屋さんといえば、
そんなに他県から来るわけじゃないですから、
本当にこの町に密着したあれです
から。
◆私の考えてるのは、
その3年後の100周年に向けて、
車椅子安全センターといって、
拠点を設けて、
全国に車いす安全整備士がいてる
もんですから、その方々が修理を
できるような状態に持っていくと
いうのが僕の夢なんです。
◆ちょっともう一回。
座っとってもうてええから。
お父さん、どうも。
息子さんはどうですか、
仕事は。
◆いろいろ、やってくれます。◆そうですか。
店のほうは任してまんねん。
事務員は私…。
◆お若いころは、
もう息子がちょっとあかんかったら、
バーンと投げたり、
暴れたりしてましたやろ?
まあ本当にありがとうございまし
た。
こうやってきたら、3代続けてと
いうのは、
自転車に対する執着といいますか、
そういったものが
3代、続いたんということでしょ
うな。
◆そうですね。
だからチャリンコという言葉があ
るでしょう、僕ら、
絶対、だめなんです。自転車なんですよね。
◆チャリンコ言うたらあきません
ねんな。
あれは自転車で、自転車ですから
ね。
自転車さまさまや。
ありがとうございます。これもらってください、「となり
の人間国宝さん」に認定させてい
ただきます。
◆すみません。
お父さん、人間国宝、もらった。
◆お父さん、これ持って、
「となりの人間国宝さん」。ありがとうございました。
◆大正時代に創業した
石本自転車。
どんなものでも直す
というのが先代からの教え。
その教えを荷台に積み、
まだまだ走り続けます。◆あの車というか、
あれも
おじいさんの手づくりなんですよ。
◆どれですか?