り返っていくと、
実はいろんなことが見えてくると
いうことになりますので、
きょうは解説でお伝えしたいと思
います。
まず、
貴乃花親方というのはどういう存在だったのか、まさに、
この相撲界の神といってもいい存
在だったと思いますね。
横綱のことばというのは、
ものすごく、やっぱり重たいですね。
その中でも、別格の存在というの
が貴乃花親方だったんですね。
誰もが、
この貴乃花親方というのは、
将来の相撲界を背負って立つ人に
なっていくということで、
育てていきたいし、
育ってほしいというふうに願っていた。
まずはこの貴乃花親方の実績なん
ですけれども、700勝を超える、
これはもう非常に大きな数字。
さらに幕内の優勝回数を見ると、
1位の白鵬がいますけれども、
6位。そのずっと見ていくと、もうすで
に、亡くなっている方か、
それとも外国人の力士かと。この下を見ても、
貴乃花親方に匹敵するような優勝
回数を重ねてきた日本人力士とい
うのは、もういないわけですね。
ですから、理事長を目指して、
絶対に期待の星を、
絶対に潰してはいけないというふうに、
協会も考えながら来た8年だった
と思います。
その出発点となった、
この8年前に何があったかということから、
見ていきたいんですけれども、ま
ず2010年、当時、
貴乃花親方が所属をしていた、
二所ノ関一門というところを、
実は強引に離脱をするという騒ぎ
を起こすわけですね。
ここで理事選挙に出馬をする。
強行出馬ということで、
相撲界の中では問題になったんで
すけれども、
見事、
当選を果たすと。
このときに、後の貴乃花一門を支
えていく人たち、
阿武松親方、
関脇の益荒雄ですとか、こうした人たち、今回弟子の受け入れ先に
なるかもしれないとなっている人
たち、千賀ノ浦親方、
小結の高三杉、これ、
兄弟子ですけれども、こういう人たちが、この2008年以降、貴
乃花親方、将来を期待されるとい
うことで、みんな、それぞれの一
門を飛び出て、貴乃花親方のもと
に集まっていくわけですね。そし
て、貴乃花親方には、大きな後ろ
盾というのがありました。
昭和の大横綱・北の湖親方が、や
っぱり将来は貴乃花が担っていく
んだということを、もうしっかり
と公認していたわけですね。です
から、この貴乃花親方が少々強引
なことをしても、みんな認めてい
く、実績もあるということで、一
歩一歩、ステップアップしていっ
たのが貴乃花親方。
一門というものが2014年に誕
生する。一門はまさに派閥ですか
ら、理事長に上がっていくために
は、必要なプロセスだったわけで
すね。
>>だから理事長への道は、
若一さん、
自然に敷かれていたはずだったわ
けなんですよね?
>>そうですね。理事に当選した
あと、北の湖さんの理事長の下で、
執行部にも入りましたからね、そ
のまま、われわれも、
順調に上のほうに行くんだろうと
いうふうに思ってたわけですね。
>>若一さんおっしゃったように、
まさに順調に、
ここまではきてたんですけれども、
実は相次ぐ悲劇に見舞われて、歯
車が大きく狂っていくんですね。
この悲劇というものは何かということなんですけれども、こちらご
覧ください。
この2010年の騒ぎを起こした、
すぐそのあとに、
いわゆる一番の兄弟子として信頼をしていた元関脇の高闘力、
大嶽親方が、この野球賭博の問題
で、協会を解雇されてしまうと。
一番の慕っていた兄弟子であり、