「一睡もできなかった」と。
何があったのでしょうか?
室井≫2つの公演があって1つは小学校の創立記念
もう1つはいつも呼んでくれる
大きなステージだったんですが
すごい久しぶりで興奮した
ということがあったのと
宿屋が立派すぎてとても広くて
やっぱりちょっと怖い?
すごく広くてドキドキしちゃって。
それでなんかうれしいのと怖いのと
広すぎるので
どうしていいか分からなくなって
みんなが思っているよりは
たぶん、がさつだけど神経質だと思うんです。
あんまり神経質なところを
たぶん見たことがないので
それにすごい食べるのでいつもは。
だからちょっとびっくりしちゃったみたいでした。
大吉≫正解は、興奮半分怖い半分。
華丸≫立派な朝食だったんじゃないですか。
近江≫室井さんの本を
読んでいると、部屋が広くて怖かった話がありますよね。
室井≫だから小さなところで
いいんですと言っても
離れの明治天皇が
お泊まりになったところに
通してくださったりとか。
いちばん小さな部屋でいいって言うんですけれどね。
華丸≫そういえば、きょう
スタジオに入ったときも広いな、って。
室井≫お風呂みたいだなって。
大吉≫昭和のお風呂のイメージ?
スタジオの広さはご了承いただく
ということで。
近江≫もう1つ絵本をご紹介し
ます。
デビュー作の「しげちゃん」
室井さんご自身のお名前に関する本です。
きょうは特別に、読み聞かせを
していただけるということです。
「ようちえんより、
小学校の ほうが 家から 近い。
だから、スキップして 行けると
ウキウキして いたのに、
入学式の 日に
もう いやな ことが あった。
クラスの みんなが はやく
なかよく なれるようにって、
机の 上に
名前が 書いてあった。
男の子は 水色の 紙、
女の子は ピンク色の 紙。
わたし、女の子なのに
水色の 紙だった。
わたしだけが、水色。
「しげる」っていう男の子みたいな 名前の せいだ。
みんなに 見つからないうちに、
はやく 先生に いって
ピンク色の 紙に
してもらわなきゃって 思った。
けど、ちょっと おそかった。
だって、となりの せきの 男の子が、
水色の 紙を 見つけて
なきベソを かいたんだもの。
「ボ、ボ、ボクの よこだけ、
男ッ!
みんな 女の子の
よこなのに~!!」
なきたいのは こっちだけど、
わたしは がまんして、
じぶんの せきに すわった。
そしたら なき虫くんは、ギョッと 目を ひらいて、
口を あけたままに なった。
水色の 紙と わたしの 顔をかわりばんこに 見てる。
フンッ、どうせ、
わたしの 名前は
男の子の 名前ですよ~だ。
わたしは 知らんぷりした。
だって、こんなこと
なれてるもん。
わたし、「しげる」っていう
男の子みたいな
名前の せいで、いやな 目に
しょっちゅう あう。
このあいだも、きんじょの
友だちの 家へ
あそびに 行ったとき、
友だちの お兄ちゃんからケラケラ わらわれたっけ。
「おまえ、知ってる? この歌。
♪夏も 近づく 八十八夜
野にも 山にも
バ~カ バッカ しげる~♪」
三年生の お兄ちゃんは、
音楽の 時間に「茶つみ」という 歌を
ならったらしい。
ほんとうは
「♪夏も 近づく 八十八夜
野にも 山にも
わかばが しげる~♪」