泊まった所、
宿を公事宿というんですが、
これも日本ではほとんど残っていません。
かろうじて奇跡的に京都市内に残
っていました。
ご覧ください。
>>連日、世界中から多くの観光
客が訪れている古都、京都。
長い歴史を誇るこの町に、実はほ
とんど紹介されたことのない、非
常に貴重な建造物が残されている
こと、ご存じですか?
それが二条城のそばにひっそりとたたずむ二條陣屋。
江戸時代に建てられたこの屋敷は、
国の重要文化財にも指定されてお
り、
訴訟や裁判を抱えた大名たちが公事宿として利用しました。
この二條陣屋、ただの宿ではない
んです。
屋敷の中にはくつろぐための工夫
がちりばめられている一方で、
大名の安全を守るための巧妙な防
衛建築の数々が。
うわー、すごい、びっくりします
ね、それ。
宿なのになぜこのような仕掛けが
?そこには江戸時代ならではの事
情がありました。
きょうの若一調査隊は、江戸時代
の現実を今にとどめる公事宿、
二條陣屋の身近に迫ります。>>さあ京都にやってまいりまし
た。
そして後ろにそびえておりますの
が、二条城ですね。
このすぐ近くにあります二條陣屋
という国の重要文化財になってい
る建物にこだわってみたいと思う
んですが、その二條陣屋は、二条
城、そしてこのエリアと切っても
切れない関係にあるんです。
>>1603年、徳川幕府の初代
将軍、家康によって築かれ、京都
における幕府の拠点だった二条城。
そのすぐそばに建てられた二條陣
屋は、
公事宿と呼ばれているんですが、
皆さん、公事宿をご存じですか?
二条城の周辺には、
京都周辺の8つの国の訴訟を扱う京都所司代がありました。
さらには今でいう、裁判所や警察
署の役割を担った東西の奉行所も。
二条城の一帯は、当時、
司法行政の中心だったのです。
そしてそれらの機関で処理する民
事裁判のことを、当時、公事と呼
びました。
>>公事訴訟の当事者は、
その裁判を受けるために、
あるいは裁判の手続きをするために、
この辺りまで、
この二条城の近くまで奉行所にまでやって来る必要があったのです。
そういう人たちが泊まった宿が、
実はその二條陣屋と。
ですからそれは公事宿とも呼ばれ
ましたね。
>>二条城の周りには、何軒もの
公事宿があったそうですが、現存
しているものはほとんどありませ
ん。
そんな貴重な公事宿、二條陣屋は、
二条城から歩いて10分ほどの場
所にあります。
>>こちらの住宅街の中には、
ちょっと言われなかったら古い建
物だというだけで通り越してしま
いそうな。
>>今からおよそ350年前、
商人、
小川千橘により創建された二條陣屋。
この小川せんきつが今の弁護士や
司法書士に当たる公事師でもあっ
たため、
公事宿を営んでいたとされています。
門を潜ると早速、公事宿ならでは
の特徴が。
>>この玄関口が、スペース広い
ですよね。
どうしてだと思います?
>>もうここにすでに理由がある
んですか?
>>理由がありますね。
>>なんだろう。
>>こちらは陣屋で、いろんな方
が宿代わりに使っておられたんで
すけれども、大名とか、お偉い方
も泊まられる。そういうときにそ
ういうお偉い方は大体籠で来られ
るんですね。
だから、籠で入ってきて、籠が置
けるという広さが。