年々増えているのが、
外国人患者。
こちらの病院では、
その数は5年でおよそ2倍。
救急外来には毎月300人近くがやって来るという。
午前4時過ぎ、
外国人の受け入れ要請が入った。
>>今の主訴としては、
前額部痛とおう気。
>>前額部痛って外傷じゃなくて
?
>>息子さんのけんかしたあとか
らこの症状が出たらしいんですけ
ど。
>>搬送されてきたのは、
日本で暮らす50代のイラン人男
性。
自宅で息子とけんかをしたあと、
一度は眠りに就くも、
目を覚まし、
再び息子と話そうとしたところ、
額の痛みや吐き気などの症状が出
たという。
>>息ができなくて、慌てて、慌
てて、汗がすごい、
ばんばん汗かいて、頭痛くて倒れ
た。
>>お話聞くかぎり、
パニック発作みたいな症状に聞こえますけどね。
>>磯川医師は、この息苦しさや
頭痛は、
不安やストレスなどの精神的要因
からきたものと考えた。
そして、
念のためCT検査を行うことに。
ところが、
検査装置を見るなり、
男性は座り込んでしまった。
>>狭い所見ると、
気分が悪くなる。
>>あんまり無理しなくてもいいですけど。
>>乗る。
やってみる、
先生。
>>意を決して寝てみたが。
>>先生、
やめておきます。
>>やめておく?
>>息できない、先生。
>>じゃあやめておきましょう。
>>親子げんかの理由は、テレビ
ゲームばかりする息子を注意した
こと。
磯川医師は男性の症状はけんかに
よるストレスが原因で、
大事には至らないと判断。
午前5時過ぎ、
症状が治まった男性は、自分の足
で家に帰っていった。
断らない救急医療を目指す聖路加
の救命救急センター。
この日、
急患が相次ぐことに。午後11時過ぎ、
運ばれてきたのは40代女性。
>>分かりますか?
>>女性の体は激しくけいれんし、
意識がない。
>>口の中何もない?
吸引できれば。
>>けいれんによって口の中をか
み、
血だらけだった。
>>てんかんの手術歴もあるって言ってた。
>>女性は自宅で持病のてんかん
の発作が起き、家族が処方されて
いる薬を飲ませたが、
発作が治まらなかったという。>>右、
ラインをもう一個取っておきまし
ょう。
OK、OK。
イーケプラでいい。
>>磯川医師はけいれんを抑える
薬の投与を指示。
迅速な処置によって、女性の発作
は治まった。
そのときだった。
息つく間もなく、急患の受け入れ要請が入った。
要請から10分後の午前0時、
搬送されてきたのは、
吐き気やふらつきが収まらないと
いう80代男性。
男性の脈拍数は正常値の半分ほど。
そのため、
脳に十分な血液が回らないでいた。
>>めっちゃカリ高だな。カルチコール打った?
カルチコール打とう。
カリウムっていうミネラルがちょっと高いせいで、脈が遅くなっち
ゃって、そうかもしれないです。
>>血中のカリウム濃度が高くなっていたため、薬を投与。
徐々に男性の容体は安定した。