すると。
また急患の受け入れ要請だ。
患者は、
脳卒中の疑いがあるという。
磯川医師は、
すぐさま脳神経外科に連絡を入れ
る。
>>救急の磯川ですけれども、
脳神経外科の劉先生をお願いしてもよろしいですか。
>>要請から10分後の午前1時、
運び込まれたのは60代男性。
目が覚めると、
右側の手足がまひしていたという。
>>こっち脚動きます?
>>このまま、
このまま保ってください。
>>きょう転んだりとか、
どっかぶつけたりとかしてないで
すね?
>>してないです。
>>磯川医師は、
脳外科医と共にすぐに脳を検査。
>>なんか出血はなかったです。
>>脳に出血はなかったものの、
血管の一部が裂けているという。
脳外科の管理の下、集中治療室に
入院することになった。
次々と来る患者に、
冷静沈着に対応していく磯川医師。
>>救急外来に来た患者さんすべ
てに、
ここに運ばれてきてよかったって
言ってもらえるようにできればな
と思います。
>>磯川医師が医療の道を志したのは高校生のころ。
歯科医だった両親の影響を受けて
のこと。
日大医学部を卒業後、研修医のと
きに救急医になることを決意する。
さまざまな医療知識が必要な現場
に、
やりがいを感じたからだという。
>>僕の礎は救急医なんで。
今後も胸張って続けていくつもり。
命を助けてあげたいですし、
不安も解消してあげたいなと。
>>救急一筋、
いのちの現場に立ち向かう日々。
その姿に同僚の医師は。
>>なんでも知ってるし、
こういう重症のときの対応とか、すごいもう、
すごく頼りになりますし。
>>これぜひ、
放送してもらって。
>>そんな磯川医師の机には。
>>本がいっぱいあるんです。
>>本棚には、
妊娠と授乳など、救命と関係ない
ような本も。
その答えは、
磯川医師が出向いた先にあった。
そこにいたのは、
産婦人科医や助産師たち。
>>もうちょっとで救急隊が来ま
すからね。
>>命の危険と隣り合わせの出産。
起こりうる事態に備え、
母体救命の指導を行っていた。
>>インストラクターをやることによって、より勉強になったりも
しますし、
1人でも妊産婦死亡というのを減らしたい。
>>救命処置を普及させていくこ
とで、1人でも多くの命を救いた
い。
その思いを胸に、
磯川医師は救命と向き合っている。
午後4時過ぎ、
生死に関わる3次救急の受け入れ
要請が入った。
>>はねられて、
ひき逃げみたいで、目撃もなし。
とう骨微弱。
>>患者は自宅近くの交差点で、
大型車にひき逃げされ、
ひん死の重傷を負った11歳の少年。
脈拍が弱っているという。
医師たちはすぐに受け入れ態勢を整える。
一報から10分。
救急車が到着。>>お母さんですか?
>>助けてください。
>>分かりました。
>>レベルは30まで低下してい
ます。
>>分かる?
声出せるかな?
>>意識レベルが低下していた。
>>いきますよ。
1、2、3。
>>分かる?>>分かる?
>>分かるかな?