40年仕事をしていたという秀子さん。
友禅染めの化学染料が、症状の原
因ではないかといいます。
>>化学物質を使うんですか?
>>もう100%やね。
そんな自然のもんやったら、
草木染めみたいにしとったら、
焼けてだめ。
>>倉さんは、
衣類についた化学物質のにおいを
取るため、
重曹を使う洗濯のしかたを教えま
す。
家にあるすべての衣類や寝具を、
毎日洗って干し続けます。
秀子さんは、
支援者の手助けを得て、自宅を離れていました。
自宅にしみついたにおいや、
裏の畑にまかれる除草剤などに耐えられなくなったのです。
避難したのは、
科学的なにおいが少ない山あいにある古民家。
食生活も変わり、
体調は落ち着いてきたといいます。
しかし。
>>もう、
とにかくもう家には絶対、二度と
戻れない。
>>そんな秀子さんのために、
ご主人は、
化学物質のにおいが少ない家を探
します。
見つけたのは、
築40年の借家。
倉さん、
においのチェックをします。
>>たぶん板の間の一番奥の部屋
が、
一番においがせんかもしれないで
すね。
>>角の部屋なら大丈夫だろうと
倉さん。
早速、
秀子さんを迎える準備を始めます。
そして、
車のにおいに耐えながらやって来た秀子さん。
部屋には、
におい対策の炭も置かれていました。
>>はぁー、
着きました。
>>においせんやろ?
>>うん、と思う。
>>倉さんが心配して駆けつけま
した。
>>どうですか?
>>ここまで来られた。
>>やったー!
>>よかった。
マスク1枚で来られた。
>>1枚で来られた?>>本当?
>>今、
これなしでこの部屋におられるから。
>>しかし、安心したのもつかの
間。
>>はぁー、本当に。
>>さまざまなにおいが近所から漂ってきて、苦しいというのです。
>>シャワーのにおいやら、なん
かのにおいからもう、夕方から、
すべてのにおいに反応して。
肺と背中が、
もう痛くなってくるし、
呼吸量も落ちてきとるし。へー、もう、これ、どうしよう、
お父さん。
>>家探しは続きます。
こちらは、
きれいにリフォームされた家。
>>入らんほうがいいなあ。
すごいにおいするよ。
>>と、娘さんが。
>>好きよ、このにおい。
めっちゃきれい。
これ、
私住みたいぐらいや。
>>畳や床、そして壁からも、さまざまなにおいがします。
>>だめ?
>>全くだめ。
一般的にはたぶん、
すごくいい物件やと思うんですけど、
値段も手ごろやし。
もう、
除草剤はまいてあるわ、
開けたらいろいろなにおいがするわで、
もう息があんまりできん状態に。
>>きれいすぎて、
きれいなにおいがすごいです。
>>次の物件はどうでしょうか。
>>あっ、大丈夫、
大丈夫。
張り替えしてないですね。
>>畳、そのままや。
>>ここもにおい大丈夫ですね、