赤いマジックで印をつけて、
1周すると。
まず物事を実現するときには、
期日を決めんといかんと。
1990年7月20日に行こうと。
帰る日も決めて、で、あとは、
女房が
これで絶対だめやと言ったら、
僕はもう破ってから
やめようと思ってたんです。
◆ほんまですか。
そこまでの人が破ってやめるとは
思えないですけども。
先生、僕は逆に心理読んでます、
先生の。
そんな、決める人か、やめられま
す?
◆と思うでしょう?
僕は、20歳代のころにブラック
企業におって、自分の心にうそを
ついて生きるということがね、
どんなマイナスになって苦しいか
ということが
わかったので、できるだけ裏表を
つくらない。
女房に、7月20日ぐらいから
ちょっと行ってきたいなと思ってるんやということで、
言うたんです。
そしたら、
私とオーストラリアどっちが大切
なのと女房に。
◆出た!
ほんなら、先生、もちろん、
すまんと、破りましたね。
◆アホな!◆先生、
言うてることちゃいますよ。
◆最終的に
あかんと言うたらやめる…。
◆とりあえずその答えはわかって
ましたか?
想定内のうち?
◆結婚してから、
私と仕事のどっちが大切?って言うたらね、
言ったら、俺が仕事してるから
うちが食っていけるんやと言ったら、
あんた、仕事をやめてくれるって
言うられ、
奥さんは言わない。
言ったら、自分の首を絞めますもんね。
◆当たり前です。
◆絶対、言わない。
オーストラリア、やめてくれると
いうのは当たり前のように言いま
す。
ええよと。
ただ、だんだん年月がたっていく
うちに、こいつらがおるから、
やめたんやというのがこいつらが
おらんかったら、
俺は行けたんやというふうの
心がコロンと変わってしまうということのほうが
怖いと。
◆先生、
おどしです、半分。
◆だから、僕は、そうなりたくないから、
お願いしてるんやと。
私にもし何かがあったら、向こうでね、事故とか何かがあったら、
行かせたことを一生後悔すると。
◆奥さん、ごもっとも!◆必ず安全も守るし、
できるだけ電話もするから、
行かせてほしいと。
◆29年前、奥様の心配を理解し
ながらも
オーストラリア大陸バイク一人旅
の夢を
実現させた前原さん。
その後、アメリカ大陸も一周しました。
奥様に安全第一を約束したものの、
やはり海外での一人旅は危険と隣り合わせ。
◆一番ドキドキしたというのは、
アメリカは銃社会でもあるから、
特に夜は
ダメやと言われて、
やってはいけないというふうに言
われてたのに、
深夜までずうっと走って…。
走って。◆走ったら危ないと言われてるん
ですよね。
◆最初のうちはきっちり守ってるんやけども、
もうちょっと行ったらどないなる
んやろうなという気持ち…。
◆それが一番、けがするときです
よ、
調子に乗るとき。
何でもそうです。最初は慎重に。
◆そうや。
ちょっと仮眠をとろうと思って、
ベンチに、このぐらいのテーブル
のベンチがあったんです。
そこに横になってバイクは5メー