第2室戸台風というのは昭和36年にあった。
そのときの潮位は3メートルを若
干下回る程度だったんですけど、
今回、
実は風は弱かったですけれども、3メートル、
潮位は上回ってるんですね。
それだけこの関西空港に与えてい
るダメージは非常に大きくて、今、
なんとか地盤沈下を対応しようとしているんですけれども、そこで
出てきている問題は、
不同沈下という問題。
>>不同沈下?
>>同じではない沈下。
つまり、この地盤は、
どこも一定に下がっているんじゃないんですね。
つまり、ここが少し大きく下がれ
ば、ここはあまり下がらないとい
う状況になってくる。
そうするとどうですか、この建物
が建っていたり、飛行機の離着陸
に最も必要なのは、
水平。
>>ですよね。
>>水平を保っていくというのが、
ものすごく難しい作業になっているわけですね。
どうやって、
この水平を保とうとしているのか。
これなんですけども。
ジャッキアップシステムということで、
こういう建物の中にある柱を、
ジャッキを使って、
常に下がっているのを上げよう、
上げようというふうにしているわけです。
>>これ、手作業でやっているん
ですか?
>>そうです。この技術者の皆さ
んが、
ここにジャッキで上げた部分にこ
の鉄板、
薄い鉄板を差し込みながら、
水平を保とうとしている。
これはもうミリ単位の作業になる
んですね。
さらにもっと大きく下がってくる
と、
ここに新たな柱を接いでいくよう
な、そんな作業もしながら、この
関西空港の安全、水平というのを
今、守ろうとしている。そこに今
回の災害、非常に大きな影響なん
ですよね。
>>このままだと若一さん、いた
ちごっこですよね。
>>それともう一つ怖いのは、地
震があった場合ですね、
要するに液状化というのが一気に
進行する可能性がある。
そうしますと、このレベルではな
い問題が起こりますね。
>>まさに今回、塩水がかかって
いるので、乾いたら終わりではな
くて、機械室なんかも潮がかかっ
ている。
それからお客さんを運ぶバスです
とか、
整備のための車両、こういうのも、
果たして使える状態なのかというのは、まだはっきりと分かってい
ないんですね。
さっき増田さんが、じゃあ、
もっと護岸をしっかりと高さを出
すような、
そういう工事をしたらいいんじゃ
ないかということだったんですけ
ど、今度はこれは、法律の壁があ
るんですね。
航空法という壁がある。
つまり、飛行機が離着陸するとき
に、
あまり空港島の周りに高い塀のようなものがあると、危険ですよね。
>>そうか、
飛行機が降りていけなくなるわけですね。
>>ですから、それほど高い塀を、
壁を、
思うように立てることもできない
というのがこの空港の使命、宿命
ということになるんですね。
>>どうすればいいんでしょうね。
>>高い壁は、まあまあ、
浸水は防げたとしても、
南港の辺りの飛ばされている車と
かを見てると、風っていうのは、
高い壁ではもう防げきれないもの
なんじゃないですかね。
>>そうですね。
関西空港の空港島の中でも、車がもう横転した車とか、
折り重なってたいはっているとい
うもの、やっぱり今回、たくさん
出てるので、
この世界の中でも本当に珍しい海の上にある空港っていうのが、
関西空港の売り、