後輩がいたんで、
彼女と同時期ぐらいやったんです
けど、
来て、3人で
暮らす、みたいになったんですよ。◆違う部屋にでしょう?
◆はい。
◆ビザの更新で日本に1回帰らないといけないとなって、
帰ってきて、
ビザの手続とかをしてたら、ある日、急に電話がかかってきて、
何か、ちょっと、
後輩の子のことが、
気になるねんと。
◆ええ…。
どういう事やねん。
気になんのやろ?どういうこと?
◆気にせんかったらええやんって
言うたんです。
と言ったんです。
◆おまえ、気にせんでええやんけって。
◆でも何かとめられへんって。
わかった、
1回、後輩に聞いてみるわと。
彼女がそんなん言うてんねんけど、
おまえ知ってる?って聞いたら、
知ってるって言うんですよ。
え~っ!? ちょっとちょっと…。
◆これは電話で言うたって、アメリカの話やからな。
すぐに、ちょっと待ってくれと言
うわけにいかんわな。
◆今から行くわというわけにもい
かないので。
◆ほんで、どないなってんな?
◆どうするねんって言うたら、どうしたらいいやろ?って聞いて
きたんで、おまえ、
クズやな~言うて。
だって後輩やったらね、先輩の彼
女、
そんなんないよって言うと思うて
たんですよ。
僕も。
どうしたらええんやろとか、
俺も好きやねんけど、みたいな空
気を出してきて…。
ああ、終わった…。
2人がそうなったら…。
◆だって、もう
アメリカで2人やもんね。◆そうなんですよ。
完全にできてもうてるんですよ。
◆つらい…。
これ、
笑い事やないで。つらい話やで。
しゃれにならんなあ。
◆人間不信になりますからね。
◆わかるわ。
家族や思うてたのに、いきなり、
後ろから殴られるみたいな。
油断してるところを…。
◆ほんなら、アメリカへ、
結局行かへんかったの?◆そうなんです。
◆やめたん?
◆アメリカに帰るのをやめようと思って。
帰っても腹立つし。
◆そこであなたは、じゃあ、
こうなったら俺はカリフォルニア
ロールの専門店をつくろうと、
かねてから、
ぼうっと思ってたことを、
実現しようと思ったんや?
それはわかるわ。
今の話の流れで。
その2人はどうなったんや、
後輩と、
その彼女は。◆結婚したっ…ぽいです。
◆したの?
◆子供も生まれたっぽいです。
◆ということは、あなたにとって
はもう、
カリフォルニアロールしかないん
や。
◆そうなんですよ。
全てを失ったというか、友達も1
人失い、彼女も失い、
結婚しようと思ってたのに…。
◆同時に、2人、
大切なものをなくしてしまったんや。
まあ、変な話やけど、原動力とい
うか、
ちくしょうという気持ちが、
頑張ろうという気持ちに変わって
きたと。
◆はい、変わりましたね。
◆不思議やな人間って。
何か悪いことばっかりじゃなくて、
悪いことに見えたことが一つのば
ねになって、
前に進めることができるかもしれ
ないね。
何としてもこの店をはやらせない
といかんな
あ。