2018/10/31(水) 15:50〜17:53 ten.【若一調査隊!松尾芭蕉が愛した滋賀・大津へ】[字]


東大寺の大仏を建立しました。その天皇が亡くなったとき、
きさきの光明皇后が、
天皇愛用の品を東大寺に納めたのが、
正倉院宝物の始まりです。
校倉造で知られる、国宝、
正倉院正倉で、宝物は守り伝えら
れてきました。
こちらのかわいらしい靴は、
光明皇后が履いた可能性もあると考えられています。
麻布や紙で形を作り、


花や鳥を織り出した絹織物や、ししゅうで飾られていて、
室内で使う、いわば、古代のスリ
ッパだったようです。
きらびやかな鏡は聖武天皇ゆかり
の品。
白く輝くのは、
南方にしか生息しない、
夜光貝の貝殻。
花の中心の赤い部分には、こはく。
ほかにも青いトルコ石のかけらが
ちりばめられています。
こちらの八角形の箱にも、
びっしりと花や鳥を彫刻したやこうがいが 
埋め込まれています。
花の中心には、
やはりこはく。
そして、箱の表面全体に、
玳瑁というウミガメの甲羅が貼ら
れています。
南の暖かい海にしか生息しない玳
瑁。
その甲羅は、
古来から装飾品などに使われる高級素材として珍重されてきました
が、現在は、ワシントン条約で保
護されているため、新たな材料は
手に入りません。
江戸時代から6代続く職人の森田孝雄さん。
条約で保護される以前から出回っ
ていた玳瑁を使って、
伝統の技を伝えています。


眼鏡のフレームを作る様子を見せてもらいました。
まず、
玳瑁を切り出して、一定の厚みになるよう削ります。
1枚だけで思う形を作るのは難し
いため、もう一つ、パーツを切り
出して接着します。
玳瑁の形を整えたり、接着をするときには、
鉄板を熱しておいて、
水にぬらした玳瑁を挟み、圧力をかけます。
こうするだけでつなぎ目が分から
ないほどきれいにくっつきます。
磨くと、
透明感とつやのあるフレームに仕上がりました。
一方、
こちらには不思議な形をした金属の輪と、
鳥の飾りがついた布。
飾りは、
ほかにもたくさん並んでいます。
一体、
何に使われたものなのか。
宝物の保存管理を担っている、
宮内庁正倉院事務所。
研究員に、
あの布や金具の使い方を教えても
らいました。
宝物は展示される前は、
きりの箱に一つ一つ丁寧に仕分けをして保管されています。
>>各所にびょうがありまして、
びょうが本来留まってた所が抜けて、穴になっております。
この穴の部分に、

合わせて物を置いていきますと、この金具が本来、ここに留まって
いたっていうことが分かります。
これらの金具が、両面にすべてく
っついた状態で、
楽帽の形になるということです。>>楽帽というのは、舞を舞うと
きなどにかぶる帽子。
もともとは、金属の輪の中に飾り
が付いた布が貼られていて、実物
大で復元すると、こんな形になる
そうです。
ほかにも、
朝鮮半島からもたらされたと見ら
れる琴や、
女性が身にまとったスカートのよ
うな衣服など、1300年の時を
超え、奇跡的に伝わった宝物が並
びます。
第70回正倉院展は、
11月12日まで、
奈良国立博物館で開かれています。
>>今回、
若一さんと黒木さんで取材、行か
れたんですよね。
>>そうなんです。
今、
ご覧いただいたように今回の正倉
院展にも、
見事な螺鈿の細工をした品々が並
んでるんですが、
その螺鈿に使われているのが夜光